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政策と提案
2012/6/7 更新
奈良市の不祥事根絶に、市はどう取り組むのか
2012年6月4日 奈良市会議員団  
●続発する不祥事の原因は
最近、市役所の不祥事が後を絶たず、市としても不祥事根絶に向けた取り組みが急がれます。
市役所の「強いものには弱く、弱いものには強い」体質は過去から一掃できていません。しかし現在の仲川市長が就任以来、特に最近は不祥事が続発しており、これまでの体質だけでは説明できないものがあります。

仲川市長就任以来の不祥事の数々
この間、横井人権文化センター職員が停職期間中にもかかわらずスナックで同席した客の財布から現金などを盗む。(2009年8月、懲戒免職)、生活保護課職員が生活保護受給者からの保護費返還金等約181万円を着服(2009年8月、懲戒免職)、ある市民の約5千万円もの滞納税について市は納付指導や財産調査を全く行なわずに不納欠損処理(2011年3月)、滞納整理課の課長・課長補佐の職員が市民から預かった税金の延滞金を一部だけ入金処理し、その差額約4200万円を着服(2人とも2011年8月、懲戒免職)、ごみ収集時にパッカー車の後部につかまり乗車する「ステップ乗車」をして道交法違反で 取り締まりを受けたとして、環境部職員3人を処分(2011年12月、戒告)2010年度の高額滞納者上位20位の税額、延滞金などについての情報が一部実名入りで「流出」。市は真偽を明らかにしていないが警察に相談している。(2012年2月)病院事業課職員が市立診療所及び休日夜間応急診療所の受診者が払った診察代約360万円を着服(2012年4月懲戒免職)、JR奈良駅西口の保健所等複合施設の新築工事について多額の工事費水増し疑惑で職員1人が逮捕される(2012年5月)など不祥事つづきです。
仲川市長はこうした不祥事を反省するより、自ら「奈良市は不祥事のデパート」などといい、不正事件を利用して、罰則々々で職員を縛ろうとする大阪市の職員基本条例を参考に奈良市でも条例をつくると表明したり、人事評価制度の導入やその上計画を上回る大幅な人員削減や給与カットなど、職員バッシングの先頭に立っています。もちろん不祥事そのものは許されず、厳しく対処する必要があります。しかし続出する背景に、仲川市長が憲法や地方自治法など「全体の奉仕者」としての公務員の寄って立つべき立場を尊重せず、逆に「民間でできることは民間に」とすでに破綻している新自由主義路線を踏襲し、公務の責任を果たす立場に立っていないことがあると言えます。

原因はどこに
バッシングですすむ、物言わせない職員づくり

仲川市長は就任当初から、「職員の声を聞いていたのでは、過去のしがらみは絶てない」と「○○委員会」と言った組織を立ち上げ、提言を出させてそれを採用する手法を多用しています。
また「財政難で職員がまず身を削れ」と人員削減や、給与カットなどを強行し、職場は長時間・過密労働に追い込まれて余裕がなく、職員同士が個々バラバラにされてきており、職員の意見や考えも聞かず、事業仕分けや予算の一律カットなどが強行され、仕事に対する誇りも失われてきています。 また公金着服を働いた税務担当職員の任命責任については市長自ら不問にしたり、議員の人事の口利きを批判する一方、市長自ら議員の意見を取り入れて職員を異動させたという話が広がるなど、職員から見て納得いかないことが増え、それが職員の心が離れる大きな原因のひとつにもなっています。 今の市役所は組織としての体をなしていない状態です。

なぜ外部からの不当要求を拒否できないのか
保健所等複合施設建設に絡む問題は少し異質ですが、組織からの不当要求を断固として退けてきた職員がいる一方、不当な圧力に屈してきた職員もいます。
ただこうした金銭要求が職員に来るというのも、最近の入札制度の改革や、最低制限価格の撤廃など とともに、公共事業全般の予算の削減なども影響していることも考えられますが、いずれにせよ不当要求を跳ね返せないのは、こうした問題が個々の職員任せで、市長以下職員が一丸となって、職場全体として確固たる姿勢を貫けていないところに問題があります。

●引き出すべき教訓と、解決の道は
教訓とすべきものは何か

(1)市政についていえば、今のように市長の独断ですすめるのではなく、職員の力を引き出し、政策化することです。

(2)市民の怒りは頂点に達していますが、仲川市長は市民に謝罪することもせず、逆に不祥事をいいことにして職員バッシングに走っています。こうした手法ではやる気をなくし、職員力を低下させるだけであり、こうした市政運営を改めることです。

(3)不祥事の出てきた背景や事実関係について市長以下、職場を上げた取り組みが必要であるがそれができていません。
今回、全職員を対象にした強制的なアンケートを実施したが、職務命令のため拒否することもできない上、憲法38条に抵触する恐れがあると、このアンケートの中止・撤回と、すでに回収したものは廃棄処分にすることを市長に申し入れています。

不祥事根絶、清潔で公正な市政への転換が求められる
(1)決定的なのは市長の姿勢であり、外部からの不当な要求は市長が断固として拒否し、全責任をとるという姿勢を貫くことが必要です。 市長に今求められているのは、職員を信頼し、職員の持てる力を引き出し、不正事件の全容を解明し、真に市民本位の市政実現に力をつくすことです。

(2)徹底した職場の議論を通じ、職員の中から改革・正常化の動きをつくっていくことで、この優秀な職員力をどう引き出すか、ここに力を尽くすことが必要です。また労働組合の果たす役割も大きなものがあります。労働組合とルールにもとづき話し合いをし、その声に耳を傾けるべきです。

(3)不当要求行為については、市の法令順守に関する条例などにも規定されており、わが党議員団が要求してきた内部通報者保護制度もあります。こうした条例や制度の活用とあわせて、職員個人任せではなく、職場全体で対応していく体制づくりが必要です。

(4)現奈良市の不祥事、不正事件をただし、公正・公平な市政を実現することは、市民の暮らしに直結することです。現在のような市政では、最後にしわ寄せを受けるのは37万市民です。市民自らも市政への関心を高め、市政の転換へ力を合わせることを呼びかけます。
日本共産党奈良市会議員団は、これまで不正事件の究明へ、議会に100条調査委員会を設置することを求め、不正のない、市民の立場に立った市政と議会をつくるために力をつくしてきました。ともに力を合わせて、明るい清潔な奈良市をつくっていきましょう。   


以上