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政策と提案
2016/9/28 更新
2016年9月定例会反対討論 最終


2016年9月定例会反対討論 最終

2016年9月27日 井上

日本共産党奈良市会議員団を代表し討論を行います。 ただいま議題にされております議案のうち、

報告第36号 平成27年度奈良市一般会計歳入歳出決算の認定について、
報告第42号 平成27年度奈良市駐車場事業特別会計歳入歳出決算の認定について、
報告第43号 平成27年度奈良市介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について、
議案第91号 奈良市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について
議案第92号 奈良市常勤の監査委員及び公営企業の管理者の退職手当の特例に関する条例の一部改正について、以上5件について反対し、
議案第88号 平成28年度奈良市一般会計補正予算については意見を付して賛成します。
残余の議案については賛成をいたします。以下、理由を述べます。

報告第36号の一般会計決算、及び報告43号の介護保険特別会計決算についてです。
 年金削減や医療や介護の大改悪、労働法制の規制緩和など、国の政治のもと、市民の命や健康を脅かし、格差を広げ、暮らしの悪化が進む深刻な事態となっています。そんなときだからこそ、住民福祉の増進を使命とする自治体の役割が鋭く問われています。予算は、市民の暮らし応援を最優先に、市民の負担軽減を図り、安心して過ごせるようにすることこそ求められております。
 ところが、27年度予算は3年ごとに値上げが繰り返されている介護保険料の基準額の値上げ、国民健康保険料は最高額の限度が4万円引き上げられ81万円に、バンビーホームの児童育成料に引き上げなど、市民にさらなる負担を強いる予算でした。
 また昨年度予算は、観光対策費用の増額で新規施策も拡大する一方で、教育の分野では小学校全学年での少人数学級をさらに後退させるなど、市民の願いに背を向けています。
 また、健康長寿を重点に予算を組んだと言いながら、高齢者福祉の市の独自施策を逆に後退させ、高齢者から悲鳴の声が上がりました。1970年から市独自に進めてきた老春手帳優遇措置事業における入浴補助制度について利用者や市民から制度継続を求める強い願いがあるにもかかわらず、これを廃止してしまいました。
 我が党が指摘したとおり、この一連の市長が編成をした予算及びその執行が市民の暮らしの悪化を深刻にした点を強く指摘するとともに、来年度予算の編成に当たっては、市民の暮らし応援を最優先にしたものとするよう、強く求めるものです。
 次に、報告第42号の駐車場事業特別会計についてです。
従前より指摘をしてまいりましたが、ホテル日航奈良の地下駐車場は、原因者のホテルが設置をし、経費も負担すべきものと考えます。

 次に議案第91号のいわゆるマイナンバーに関する条例改正です。
 これはマイナンバーを利用する事務に、特定不妊治療及び一般不妊治療等の助成に関する事務を追加しようとするものです。
これまで各課で持っていた個人情報が来年7月からは、国・市町村など各行政機関での情報連携が始まります。補助金や確定申告の控除に便利になるといわれていますが、一つの番号で、すべての個人情報が一括管理されてしまうことに、国民にとってはあまりメリットがないだけではなく、この情報が漏洩、流出してしまうという大きなデメリットがあります。今、あらゆる情報がビジネスになってしまう社会にもかかわらず、100%漏洩を防ぐことは不可能であると、政府も認めています。

次に議案第92号の特別職の退職手当をゼロにする条例についてです。
条例は2人の特別職の在任期間に限って退職手当をゼロにする内容です。特別職の退職手当は重い責任の対価であり、同時に給与の後払い的性格をもつものです。また有能な人材を引き続き確保するためにも必要なものです。今度の退職ゼロ条例で2巡目に入り、しかも特別職の間で就任時期にずれがあることから、それぞれが右に倣えをしたら、いつまでたってもゼロの状態が続くことも懸念されます。退職手当のある部長級と、退職手当のない特別職の年収換算のバランスが崩れる懸念もあります。重い責任があることから住民監査請求の対象とされ、損害賠償を求められることもあります。中核市47市で市長、副市長、特別職の全員が退職手当ゼロというところは一つもありません。財政健全化に向けた改革姿勢を示すためとの理由ですが、行革姿勢を示すというならゼロではなく、重い責任を果たすために、減額をしたうえで一定の退職手当を支給したとしても議会や市民は理解すると思われます。

議案第88号 平成28年度奈良市一般会計補正予算(第2号)については、意見を付して賛成します。
 本予算には、新斎苑整備事業に関する調査予算が含まれています。計画地内の断層の有無を確認することを目的とした調査経費1,600万円と、鹿野園町周辺の道路整備に関し交通量を把握するための調査経費200万円の計1,800万円です。
 奈良市の現火葬場は、老朽化している上に設備が十分ではなく、現施設の移転新設はまさにまったなしの課題です。
そんななか、奈良市が現計画地を移転先として、今年3月議会の当初予算には、新斎苑の橋の予備設計など建設推進を前提にした予算が提案されましたが、わが党は、計画地の安全性が担保されていないこと、住民合意がないことから、建設ありきの予算は認められないとして、この部分を減額する修正予算案に賛成しました。一方、調査予算については建設の是非を判断する材料となることから賛成してきました。
  わが党として、市が提案する計画地の地盤などの科学的な調査・分析を国土問題研究会に依頼し、その調査・分析もふまえ、6月議会において、岩井川ダム地点にある断層の影響調査を計画地で行なうことを提起しましたが、今回の補正予算に計上されている新斎苑関連の調査予算は、私たちの提起の方向にも沿ったものととらえています。
同時に、私たちの提起だけではなく、奈良市はこれまでに実施した各種調査の第三者の有識者による評価を実施していますが、この過程で計画地内の断層の有無等の追加調査を行ない検証することが望ましいと指摘があり、これを受けての今回の調査予算の提案だという点が第一の理由です。

第2にこれまでの調査結果の市の説明内容に疑義があり、第3者の専門家による評価は必要なものだと考えています。
委員会質疑で、断層調査に関連し、その調査の当該地ともなる、計画地北側斜面の崖錐地形に関する、市のこれまでの説明や対応について質しました。
 現・基本計画案では、ここに「盛土」を予定していますが、この部分の地質・土質について、市が調査を委託した「明治コンサルタント」と「八千代エンジニアリング」の報告資料では、調査結果や説明に重大な違いがあります。
 計画地北側斜面の崖錐地形の地質は、土石流堆積物の地層で砂岩・礫岩で覆われています。基盤は片麻岩だけれども、表層部は風化がすすみ、「安定した」「強固な」地質でないことは市が調査委託した「明治」の報告書でも、わが党議員団が調査依頼した「国土問題研究会」の報告書でも明確です。これに対して、「八千代」の調査資料は、安定した基盤岩となる片麻岩が崖錐地形の場所にも広がると図に示され、いわば、実証なしに「安全」ととれる資料が出されています。市は2つの調査機関の計画地の土質についての記述が異なることについて調査目的が違うことを理由に挙げていますが、調査目的が違っても計画地の土質についての客観的評価は違ってはいけないと思います。

 そのほかにも、「八千代」の調査報告は、断層に関してや、計画地での斎苑工事に関する土砂流出の問題といった、計画地での斎苑建設で安全性への疑問となっている重要な命題に対して、安全への懸念を高め、不信感を広げる内容となっており、信用できるものとはいえません。「明治」、「八千代」、「国土研」の調査をつうじても、現在の基本計画のまま、現計画地で建設することは危険であることがいっそう明らかになっています。この点でも第3者評価は必要だと考えます。

わが党の代表質問で、適地か不適地かの判断を含め、計画の抜本的見直しを行なう用意があるのかと質したことに対して、市長は「計画の見直し」に言及されました。
 奈良市は今、新たな公共施設を建設する課題に直面しています。先日も台風16号で記録的な大雨となり各地で被害を引き起こしましたが、地球温暖化による異常気象、鬼怒川(きぬがわ)堤防の決壊、また阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震といった巨大地震など、いまや「災害列島・日本」といわれる中、国民や市民の一人ひとり、地方自治体あげて「備え」を万全に行なうことが求められています。
 こうした時に、市民の大切な公共施設を建設しようとしている本市にとって、安全・安心の施設をつくることは市民への責務であり、今回提案されている調査も欠かせない調査であると考えます。
同時に、調査はするが、「現計画地での基本計画案は変更せず、対策をして建設可能として進める」とか「住民や議会の説得材料としてだけ調査結果をつかう」などの結論が出されかねないことを危惧し、委員会の総括質疑では、計画の大幅見直しの具体的方向性、市長の決意や信念、本気度を質しました。頻発する大きな自然災害を「他人事(ひとごと)」として見ているのではなく、「わがこと」として市政に具体化することこそ、首長に求められていることを改めて強調しておきます。
 わが党は、計画の安全性の確保とともに、理解と納得に基づく住民合意、この2つは計画を進める上での絶対条件であり、どちらが欠けても計画をすすめてはならないことを重ねて表明するものです。

 最後に「仮称辰市こども園園舎設計経費1,200万円」についてです。
このことについて、「こども園の設置場所について昨年度から地域と協議を続けてきて、一定の方向性が見えてきた」「今後も保護者、地域の皆様のご理解を得たうえで設計を行ないたい」と市の答弁がありました。
「奈良市幼保再編計画」にもとづき、市立の辰市幼稚園と辰市保育園を統合再編し、幼保連携型認定こども園にするための予算化ですが、幼保連携型認定こども園はこれまでから指摘している通り十分な検証がされていません。「幼保再編計画」について、「決して強引にすすめない」「見直すべきところは見直す」「地域や保護者の意見を聞く」ことを市長が明確に答弁されています。保護者や地域の理解を得ることとともに、他の市立こども園での保育の課題をふまえ、現場の保育士のナマの声を丁寧にくみあげて尊重し、慎重な扱いを求めまるものであります。
以上で討論を終わります。