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政策と提案
2017/3/30 更新
予算組み替え動議提案説明 本会議


奈良市議会3月臨時議会 予算組み替え動議 提案説明

2017年3月28日 北村

 私より、「議案第54号 平成29年度奈良市一般会計予算」の組み替えを求める動議について、提案説明をさせていただきます。

年金の削減、介護保険や医療の負担増、非正規雇用の増加、貧困と格差の拡大など、国の政治が、国民多数の声を聞かずに暴走し市民生活を直撃するなか、くらしが悪化する深刻な事態となっています。そんな時だからこそ、「住民福祉の増進」を使命とする地方自治体が「くらしを守る防波堤」の役割を発揮することが求められます。
 また、「奈良壊し」「まち壊し」を許さず、奈良固有の歴史や文化遺産、景観を守り継ぐための努力とともに、市役所の公的使命を自覚し、それにふさわしく、職員を大切にする市役所をつくることが、市民のくらしを大切にする市政をつくることにもつながります。
 当初提出の新年度予算、また、再提出された予算ともに、市民や関係者の切実な声の高まり、粘り強い取り組みを反映し、臨時保育教育士の給与引き上げや特別支援教育支援員の増員、小中学校体育館のトイレ改修など、わが党も実現をめざしてともに力をあわせてきた内容が一定反映された面もある一方、環境破壊、沿線住民の生活が脅かされる等問題が山積する「リニア中央新幹線」に対して、強い反対運動が各地で起こっているにもかかわらず、リニア中間駅(新駅)誘致のためのイベント等の経費は聖域のように予算化がつづけられ1,200万円計上されています。また、個人のプライバシーや個人情報保護の面で問題があり、運用の基準が明確になっていない「防犯カメラ」の設置をいっそう拡大する予算も含まれています。
 教育の分野で、前回市長選挙で市長自らが実績にあげていた「小学校全学年での少人数学級」を、2期目に入って以降今年度まで3年連続して後退させ、現場に大混乱を引き起こすとともに、市民に大きな失望が広がりました。
当初提出の新年度予算、また、再提出された予算ともに、今年度の学級編成基準で少人数学級は維持されているものの、いじめ対策に力を入れるとして、今年度に「市独自の少人数学級」を前年度から崩してまでして導入した「いじめ対応支援教員」が6人も減らされています。児童一人ひとりにゆき届いた、きめ細かな対応ができるようにと整備した「市独自の少人数学級」の後退は、いじめ対応にそもそも逆行しており、深刻な人権侵害である「いじめ」が、どの学級にもあるといわれているなかで、対策を強めるために特に導入した「いじめ対応支援教員」を今減らすことは、子どもの安全に生きる権利を保障する方向で問題を解決し、「いじめ」のない学校と社会をつくっていく上で、子どもや保護者、現場の願いにも反しているのではないでしょうか。
 また「民間でできることは民間に」と、国の動きを先取りして、民営化の方向へと踏み込む姿勢が目立ち、市役所業務の民間委託のさらなる拡大、公立保育園の民営化等だけでなく、今度は「命の水」を担う公営企業まで民営化にふみだそうとしており、公的責任の後退は許されません。
再提出された新年度予算では、当初提出予算同様、市長の「NARA NEXT4」に基づき、家庭ごみ収集業務の民間委託の区域を新たに拡大する予算が7,020万円計上されています。職員適正化計画や民営化推進の計画があるために、収集業務を担う職員の退職者不補充を続けた結果、新年度の収集体制に、正規・非正規含め18名の欠員が生じることが明らかとなりました。非正規職員を募集しても人員が確保できない深刻な状況にあります。市が日常的に安定的に責任を果たさなければならない「家庭ごみ収集業務」に穴があくような事態は、絶対にあってはなりません。ごみ関連業務に関わって、労使交渉の場に弁護士を同席させること等を含めた当初提出予算に計上された不適切と思われる経費が、再提出された予算では全額削減されている点は確認をするものです。
いま、市民生活を支える地方自治体の公的責任を発揮した市役所の役割が、鋭く問われています。とりわけ求められる「災害に強い奈良市」をつくるためにも、市の正規職員を適切に増員することが求められるのではないでしょうか。
 市が公的使命を自覚し、それにふさわしく職員を配置して市民のくらしを守るために、再提出された新年度予算を、不要不急の視点から緊急に見直すことが必要です。

 以上のことから、家庭ごみ収集業務を安定して進めるために、新年度に欠員が生じる収集業務を担う職員を、処遇を保障した正規職員として採用するための予算化を行なうとともに、今後、教育の分野で、いじめ対策を強めるために、せめて、「学校応援いじめ対応サポーター」の予算計上だけでなく、「いじめ対応支援教員」を、今年度の人数を継続配置するために、総務費ほか6,779万円の増額、教育費を3,480万円増額し、合計1億259万円の増額をするべく予算を組み替えるべきと考えます。
 その財源としまして、組み替え動議提案(文書)にあります通り、総務費のうち3,239万円の減額、衛生費のうち7,020万円の減額、合計1億259万円の減額分を増額分へと組み替える動議を提出するものです。

 以上、提案説明とさせていただきます。議員各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い致します。